新型コロナウイルスのワクチンの接種が始まっています。4月からは一般の方でも接種が始まりました。最新の情報をもとに、日本での接種の際の注意点を解説します。
新型コロナワクチン、どうやって受けるの? その1 2021年6月4日時点
新型コロナワクチン、どうやって受けるの? その2 2021年6月4日時点
お住いの市町村で、無料で受けられます(2021年6月4日時点の情報)※1
新型コロナウイルスのワクチンは、皆さんがお住まいの市町村にある医療機関などで無料で接種できます。接種は義務ではありません。
このメッセージを書いている6月4日時点で、日本で利用可能な新型コロナワクチンはファイザー社の「コミナティ」、武田薬品工業社の「COVID-19ワクチンモデルナ」、アストラゼネカ社の「バキスゼブリア」の3種類です。このうち、国による今回の接種で使われるのは、ファイザー社と武田薬品工業社の2つのワクチンです(6月4日現在)。以下、この2つのワクチンの情報です。
2つのワクチン、接種間隔と対象年齢に注意!
ファイザー社と武田薬品工業社の2つのワクチンはどちらもmRNAワクチンです。2回の接種が必要で、筋肉注射(多くの場合は肩のあたり)です。1回目、2回目ともに同じメーカーのワクチンを受けることが基本となります。両者は、対象年齢と接種間隔が異なります。原則、市町村での接種ではファイザー社、大規模接種では武田薬品工業社のワクチンが使われます。
- ファイザー社のワクチン:通常、1回目の接種から3週間後の同じ曜日に2回目の接種を受けます。対象者は接種する日に12歳以上の方です。
- 武田薬品工業社(モデルナ社)のワクチン:通常、1回目の接種から4週間後の同じ曜日に2回目の接種を受けます。対象者は接種する日に18歳以上の方です。
妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の方も、新型コロナワクチンを接種することができます。心配な場合は主治医にご相談ください。また、新型コロナウイルスに感染したことがある方も、ワクチンを接種することができます。この場合も、現時点では通常通り2回接種します。ただし、症状がでている状態では接種ができません。
※厚生労働省「新型コロナワクチン接種についてのお知らせ」をもとにHealth Amulet編集部作成
どこで接種できるの?
原則として、住民票のある市町村の医療機関や接種会場で受けることができます。接種会場は厚生労働省サイトから探すことができます。
また、以下の地域では大規模接種会場でも接種できます。市町村で1回目の接種を受けた方は、大規模接種会場では接種ができません。
- 東京/対象地域:東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県
- 大阪/対象地域:大阪府、京都府、兵庫県
大規模接種会場に関する情報は防衛省サイトにあります。
次のような場合は、住民票のある市町村以外でワクチンを受けることができます。
- 入院・入所中の住所地以外の医療機関や施設でワクチンを受ける方
- 基礎疾患で治療中の医療機関でワクチンを受ける方
- 副反応のリスクが高い等のため、医師の判断により、体制の整った医療機関での接種が必要な方
- 大規模接種会場で接種を受ける方(会場毎に対象地域にお住まいの方に限ります)
- お住まいが住所地と異なる方
接種で万が一健康被害が出た場合の救済措置は、国が用意します※2。
接種を受ける流れは以下のようになります
- 市町村から郵送されてくる接種券が必要です(※(6月21日追記)職域接種などでは接種券が必要ではない場合もあります。ご確認ください)。
接種券は、接種済み証と一体になっています。接種できる医療機関は、インターネットや市町村の広報などで確認できます。
- 接種の予約をします。予約は、電話やインターネットで済ませます。予約の際含めお金はかかりません。
- 予約した日に接種券と本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証や健康保険証など)を持って医療機関に行き、ワクチンを接種してもらいます。
- 接種してもらったら、QRコードのついたワクチンシールを必ず接種済み証に貼ってもらいましょう。
- 接種の日付、接種した場所、ワクチンメーカー、どの番号(製造番号)のワクチンを接種したかを記録しておきましょう。今後、3回目の接種が必要になったときやワクチンの有害事象が疑われた時に、自分の身を守ってくれる大事な情報です。
接種後に熱が続いたりした場合は、医療機関に相談しましょう。発熱がある場合、ワクチンによる反応の可能性、新型コロナウイルス感染症になった可能性、その他の病気の可能性などがあります。
接種したら、記録と引き続きの予防策を!
2回目の接種が終わると、ワクチン接種は完了です。接種して1~2週間で新型コロナウイルスへの抵抗力ができあがるとされています(米国CDCのガイドラインによる※3)。
2回の接種が完了したら、他社の新型コロナウイルスワクチンを受け直す必要はありません。ただし、違うタイプのウイルスがでてきたり、十分な免疫が育たなかったり、時間とともに免疫が弱ってしまったりした場合にはワクチンを打ち直すことがあります。
ファイザー社のワクチン、武田薬品工業社(モデルナ社)のワクチンともに、接種した方は、しない方と比べて感染する確率が約20分の1になると報告されています※4。
今のところ、ワクチンを接種してコロナウイルスへの抵抗力がついたとしても、他人へ感染させなくなるのかはわかっていません※5。また、抵抗力がついた場合でも今後は一切感染しないということではありません。2回の接種が終わっても、引きつづき手洗いやマスク、消毒をすることと、人との距離を保つといった予防策を継続しましょう。
参考文献:
※1 厚生労働省「新型コロナワクチン接種についてのお知らせ」
※2 厚生労働省「予防接種健康被害救済制度」
※3 CDC 「COVID-19 Vaccination」
※4 厚生労働省 「新型コロナワクチンについて」
※5 FDA 「Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine Frequently Asked Questions」
※2021年6月現在の情報を参考に作成しています。
作成:Health Amulet編集部
新型コロナワクチン、どうやって受けるの? その1 2021年6月4日時点
新型コロナワクチン、どうやって受けるの? その2 2021年6月4日時点