新型コロナワクチン、職場で受けられるの? ※2021年6月17日時点

新型コロナウイルスのワクチンの接種が、6月21日からは職場でもできるようになりました。最新の情報をもとに、接種の際の注意点を解説します。

職域って何?

「職域」とは職場のこと。今回の職域接種とは、企業や大学等が自治体に代わってワクチン接種を行うことです。1回に1,000人以上が接種することが前提となっています。このため、大企業の場合には単独での実施、中小規模の場合には複数の職域で連携して実施することが想定されています。

誰が受けられるの?※1

対象者は、日本に住民票のある方であることが大前提となります。それ以上の条件は、職域接種を実施する企業などが、公平性・個人情報の取り扱いの観点などから独自に決めることができます。ただし、雇用形態による区別は望ましくないとされています。お住まいの自治体から接種券がまだ届いていなくても接種可能です。当日は本人確認ができるようにしておくことと、後日接種券を持参することが必要になると考えられますが、詳細は実施する機関にお問い合わせください。

新型コロナワクチンをすでに自治体で1回接種している方は、2回目を職域で受けることはできません1回目を職域で2回目を自治体で受けるということもできません

接種は義務ではありません。また、無料で受けられます。接種で万が一健康被害が出た場合の救済措置は、国が用意します※2

ワクチンは選べるの?

この記事を書いている6月17日時点で、職域接種はモデルナ社(武田薬品工業社が扱います)のワクチンを使用することになっています。自治体での接種で使われているファイザー社のワクチンを選ぶことはできません。
モデルナ社のワクチンはこちらの記事にも書かれているように、ファイザー社と同じmRNAの技術を使ったワクチンです。2回の接種が必要で、筋肉注射です。

ファイザー社とモデルナ社のワクチンでは、現在まで効果や有害事象に大きな差はないと考えられていますが、2つの違いがあります。モデルナ社ワクチンは18歳以上が対象であることと、接種間隔が28日(4週間後の同じ曜日)であることです。もし、28日を越えた場合は速やかに2回目の接種を行うこととされています。

新型コロナワクチンの2回の接種が一度完了したら、当面はワクチンを受け直す必要はありません。ただし、違うタイプのウイルスがでてきたり、十分な免疫が育たなかったり、時間とともに免疫が弱ってしまったりした場合にはワクチンを打ち直すことがあります。

どこで受けるの?

国は3つの例を提示しています。実施する機関にお問い合わせください。

  1. 企業内に診療所がある場合に、そこで接種する
  2. 外部の医療機関が企業に出張して接種する
  3. 対象者が、企業と提携した医療機関に出向いて接種する

受けられないこともあるの?

すでにワクチンを2回接種済みであれば、改めて受ける必要は今のところありません。また、接種予定の当日に、37.5℃以上の発熱がある、体調に問題があるなど、問診の際の医師の判断よってその日に受けられない場合があります。また、ワクチンの成分にアナフィラキシーを起こしたことがある、心臓や腎臓、肝臓などに持病がある、など場合にも接種できないことがあります。これも、実施する機関にお問い合わせください。
妊娠中・授乳中・妊娠を計画している場合でも、ワクチン接種は可能です。詳しくは主治医に相談しましょう。

接種の予約をしたら、接種を受けたら、記録と引き続きの予防策を!

接種日が決まったり、実際に接種をしたら、日付を忘れてしまわないように新型コロナワクチン接種管理アプリ「ヘルスアミュレット」などで日付の管理をしましょう。また、接種した場所、ワクチンメーカー、どの番号(製造番号)のワクチンを接種したかを記録しておきましょう。今後、3回目の接種が必要になったときやワクチンの有害事象が疑われた時に、自分の身を守ってくれる大事な情報です。
2回目の接種が終わると、ワクチン接種は完了です。接種して1~2週間で新型コロナウイルスへの抵抗力ができあがるとされています(米国CDCのガイドラインによる※3)。
2回の接種が終わっても、引きつづき手洗いやマスク、消毒をすることと、人との距離を保つといった予防策を継続しましょう。

 

参考文献:

※1 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する職域接種向け手引き(初版)」
※2 厚生労働省「職域接種に関する Q&A(令和3年6月15日版)
※3 CDC 「COVID-19 Vaccination」

※2021年6月現在の情報を参考に作成しています。

作成:Health Amulet編集部