新型コロナワクチンの接種が進んでいます。接種券の配布が一般の方にも広がったほか、ワクチンの種類が増えました。最新の情報をもとに、副反応の注意点を解説します。
新型コロナワクチン、どうやって受けるの? 2021年8月10日時点 その1
新型コロナワクチン、どうやって受けるの? 2021年8月10日時点 その2
接種券と予約が必要です
接種の予約方法は接種を希望する会場・場所によって異なりますのでご注意ください。以下は、お住まいの地域にある医療機関で接種する場合の手順です。
1)市町村から郵送されてくる接種券が必要です。
接種券は、接種済み証と一体になっています。接種できる医療機関は、インターネットや市町村の広報などで確認できます。
2)接種の予約をします。他の予防接種をする場合には原則、13日以上の間隔を空けましょう。
予約は、電話やインターネットで済ませます。予約の際含めお金はかかりません。
3)予約した日に接種券と本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証や健康保険証など)を持って医療機関に行き、ワクチンを接種してもらいます。
4)接種後は副反応などを観察するために30分程度待機します。また、接種当日は激しい運動は避けましょう。
5)接種してもらったら、QRコードのついたワクチンシールを必ず接種済み証に貼ってもらいましょう。
6)接種の日付、接種した場所、ワクチンメーカー、どの番号(製造番号)のワクチンを接種したかを自分で記録しておきましょう。
今後、ワクチンの有害事象が疑われた時や病気にかかった時、3回目の接種が必要になった時などに自分の身を守ってくれる大事な情報です。
接種後に熱が続いたりした場合は医療機関に相談しましょう。発熱がある場合、ワクチンによる反応の可能性、新型コロナウイルス感染症になった可能性、その他の病気の可能性などがあります。
副反応には痛みや発熱があります※1
ワクチン接種に伴って予期しない反応や好ましくない反応が体に起きる場合があります。これを「有害事象」と呼びます。残念ながら、今の技術では有害事象を完全になくすことはできません。ワクチンそのものが原因となった有害事象を「副反応」と呼びます。有害事象や副反応の定義や詳細はこちらの記事をご覧ください。
日本で接種が始まってから約5か月間の評価では、副反応の頻度はファイザー社ワクチン、武田薬品工業社(モデルナ社)ともに0.03%で、安全性に重大な懸念は認められないとされています。
添付文書(ワクチンの説明書)の記載を参考にまとめると以下のような違いがあります。
ー接種後すぐに現れる可能性のある症状※2
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- アナフィラキシー
起こることはきわめて稀ですが、じんま疹や吐き気、息苦しさなどが急に起こることがあります。日本ではこれまでに、ファイザー社ワクチンで100万回接種あたり5件、武田/モデルナ社ワクチンで100万回接種あたり2.2件が専門家から接種後のアナフィラキシーと評価されています※3。
- アナフィラキシー
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- 血管迷走神経反射
緊張や痛みがきっかけとなって起きることがあります。通常、横になって休めば自然に回復します。
- 血管迷走神経反射
ー接種後数日以内に現れる可能性のある症状(両社で異なる部分を太字にしています)※1
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- ファイザー社のワクチン
50%以上の割合:接種部位の痛み、疲労、頭痛
10~50%の割合:筋肉痛、悪寒(寒気のこと)、関節痛、下痢、発熱、接種部位の腫れ
1~10%の割合:吐き気、嘔吐
- ファイザー社のワクチン
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- 武田工業薬品社のワクチン
50%以上の割合:接種部位の痛み、疲労、頭痛、筋肉痛
10~50%の割合:関節痛、悪寒(寒気のこと)、吐き気・嘔吐、リンパ節症、発熱、接種部位の腫れ、発赤・紅斑
1~10%の割合:接種後7日目以降の接種部位の痛みや腫れ・紅斑
- 武田工業薬品社のワクチン
接種で万が一健康被害が出た場合の救済措置は、国が用意します※4。
副反応の症状次第で対処が変わります
mRNAワクチンの副反応は、1回目よりも2回目の接種後に多いとされています。これは、1回目の接種でいくらか抵抗力ができたためだとされています。
比較的多く見られる副反応である発熱や腕の痛みは接種後1~2日以内に起きます。水分を十分にとり、必要な場合は解熱鎮痛剤を使って様子を見ましょう。もし、発熱以外に咳やのどの痛み、鼻水、味や匂いがしない、息切れ等の症状があれば、ワクチンによる発熱ではなく新型コロナウイルス感染症を疑って医療機関に連絡しましょう。
解熱鎮痛剤は、市販されているアセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェンやロキソプロフェン)を使うことができます。症状が出る前から予防的に薬を飲むことは、現在のところ推奨されていません。
また、下記のような場合は使うお薬について主治医や薬剤師にご相談ください。
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- 他のお薬を飲んでいる場合
- 妊娠中、授乳中、ご高齢、胃・十二指腸潰瘍や腎機能低下など病気治療中の場合(飲める薬が限られていることがあります)
- 薬などによりアレルギー症状やぜんそくを起こしたことがある場合
- 激しい痛みや高熱など、症状が重い場合や、症状が長く続いている場合
- ワクチン接種後としては典型的でない症状がみられる場合(ワクチン接種後に起こりやすい症状や起こりにくい症状については、こちらをご覧ください。)
接種したら、記録と引き続きの予防策を!
接種日が決まったり、実際に接種をしたら、日付を忘れてしまわないように「ヘルスアミュレット」で日付の管理をしましょう。また、接種した場所、ワクチンメーカー、どの番号(製造番号)のワクチンを接種したかを記録しておきましょう。今後、3回目の接種が必要になった時やワクチンの有害事象が疑われた時に、自分の身を守ってくれる大事な情報です。
2回目の接種が終わるとワクチン接種は完了です。ワクチンによって違いがありますが、接種して1~2週間で新型コロナウイルスへの免疫(抵抗力)ができあがるとされています(米国CDCのガイドラインによる※5)。
2回の接種が完了したら、他社の新型コロナウイルスワクチンを受け直す必要はありません。ただし、違うタイプのウイルスがでてきたり、十分な免疫が育たなかったり、時間とともに免疫が弱ってしまったりした場合にはワクチンを打ち直すことがあります。
抵抗力がついた場合でも今後は一切感染しないということではありません。2回の接種が終わっても、引きつづき手洗いやマスク、消毒をすることと、人との距離を保つといった予防策を継続しましょう。
参考文献:
※1 厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A」
※2 厚生労働省「新型コロナワクチンの有効性安全性について」
厚生労働省「新型コロナワクチン接種後案内 ファイザー社ワクチン」
厚生労働省「新型コロナワクチン接種後案内 武田/モデルナ社ワクチン」
厚生労働省「新型コロナワクチン接種後案内 アストラゼネカ社ワクチン」
※3 厚生労働省「新型コロナワクチンの副反応疑い報告について」
※4 厚生労働省「予防接種健康被害救済制度」
※5 CDC 「COVID-19 Vaccination」
※2021年8月月現在の情報を参考に作成しています。
作成:Health Amulet編集部
新型コロナワクチン、どうやって受けるの? 2021年8月10日時点 その1
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