第3回 女性が便秘になりやすい理由と予防方法

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女性が便秘になりやすい理由と予防方法

こんにちは。カラダシルプロジェクト運営事務局です。

今回は、女性をひそかに悩ませる「便秘」についてのおはなしです。

「女性は便秘になりやすい」という話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこれはあながち間違いではないそうです。

便秘になると、肌荒れや肥満につながる可能性が高まるだけではなく、さらに重い病気にかかるリスクも増えていきます。

Breakfast with muesli, strawberry salad,

便秘にならないために気を付けるべきことはありますか?

便秘の原因が病気ではなく日々の生活習慣にある場合、食生活や運動習慣を見直すことである程度の予防が可能です。

手軽にできる便秘解消法としては、起床直後に冷水または冷牛乳を飲むことです。冷たい水を飲むことで胃が刺激され、大腸の動きが活発になるだけでなく、水分によって便が軟らかくなり、排便が促されることがあります。

また、ダイエットのために食事の数・量を極端に減らすことで腸に溜まった便を押し出せなくなることがありますので、過剰な食事制限は控えましょう。食物繊維が豊富な野菜や果物を普段の食事に1品追加したり、朝食を抜かずに1日3食しっかりと固形物を食べるようにすることも有効です。

ヨーグルトや乳酸飲料に含まれるビフィズス菌は腸内細菌の一つで腸の働きを活発にしますが、これと同じような働きをすると言われているのが味噌や納豆などの発酵食品です。

これらの食品と合わせて、ビフィズス菌の働きを活発にするオリゴ糖を含む、バナナやゴボウなども摂るようにしましょう。

便秘はストレスや睡眠不足などによる自律神経の乱れが原因となることもあるので、遅くとも12時には寝て7時間の睡眠を確保できるよう規則正しい睡眠を心がけましょう。また、デスクワークなどであまり体を動かす機会が無い方は、1時間に1度は立ち上がって背伸びをすることで、体の緊張をほぐすようにしましょう。

便が出にくいのですが、これは便秘なのでしょうか?

日本内科学会によると、「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」のことを便秘と呼んでいます。たとえば月曜日に排便があったあと、次の木曜日までに便がなければ便秘だと考えてよいでしょう。もしくは、便があったとしてもスムーズに排便ができなかったり不快感を抱いたりする場合は便秘の可能性を疑ってください。

また、便秘は思春期から60歳未満までは男性に比べて女性のほうが発症しやすいものの、高齢になると男性も症状を訴える方が増えてきます。

便秘がちなのですが、原因がわかりません

便秘にははっきりとした原因がわからないものも多いのですが、一般的には食生活の偏りや運動不足、ストレスなどで腸の動きが悪くなることによって引き起こされる場合や、なんらかの病気の影響で便秘になることがあります。

また、トイレを我慢しがちだったり、腹筋が弱く便を十分に押し出すことができなかったりする方も便秘になる傾向があります。

女性は便秘になりやすいって本当ですか?

月経前に便秘の症状が出始めて、生理が始まると症状が落ち着く経験をされた女性もいらっしゃるのではないでしょうか。これは排卵後に多く分泌される「黄体ホルモン」という女性ホルモンが関係していると言われています。

黄体ホルモンは腸の動きを抑える働きだけでなく、体に水分を溜め込む働きも持っているため、腸内の水分が体内に吸収されることで便が硬くなり、便秘になりやすくなるのです。このように、黄体ホルモンの影響によって腸の動きが弱い時期があることが影響していると言われています。また、腹筋などの筋力が男性よりも弱いことも影響していると言われています。

便秘になったら、すぐに病院に行くべきでしょうか?

便秘の症状が出始めた場合は、まずは生活習慣の見直しから始めましょう。食物繊維を多く摂取したり、散歩やストレッチ程度の適度な運動習慣を身につけたりすることも有効です。

また、腹筋を鍛えるのも効果的です。腹筋を鍛える際は1度にたくさん行うより、軽めに毎日行うとよいでしょう。

おすすめは、10回程度を毎日続けることです。まずは仰向けになって脚を軽く折り曲げ、両手を頭の後ろに組み、腹筋のあたりに少しだけ力を入れるイメージで爪先を見るようにしながら頭を少しずつ起こしていきます。その際、なるべくゆっくりと息を吐くようにしましょう。その姿勢を5秒ほど維持したら頭を元の位置に戻します。この運動を毎日の習慣にしていきましょう。

ただし、もしも症状が改善されなかったり悪化したりした場合は、薬局で相談した上で最小限の量の市販薬を服用するようにすることが大切です。

また、「便を毎日出さなければならない」という思い込みはプレッシャーをかけることになってしまい、便秘の解消には逆効果です。便秘の症状が現れた場合であっても焦らないことが大切で、もしも不安が膨らんだ方はお早めに医療機関を受診することをおすすめします。

さらに詳しく​!宋美玄先生に聞きました 

​日々の生活で気になること、もっと知りたい疑問を宋先生に聞きました。

​宋美玄先生

産婦人科医、医学博士

2001年、大阪大学医学部卒、川崎医科大学講師、ロンドン大学病院(胎児超音波部門)留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。

主な著書に、「産科女医からの大切なお願い:妊娠・出産の心得 11か条」(無双舎)、「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)などがある。

- 生理前は便秘になりやすいと聞きます。なぜですか?

黄体ホルモンである、プロゲステロンが多く分泌されている時期のためです。プロゲステロンが大腸のぜん動運動を抑えたり、腸内の水分を体内に吸収しやすくすることで、便が固くなり、便秘になりやすくなります。

そのため、黄体ホルモンの分泌が急減する月経中は便秘が解消されるという人が多いです。

- 便秘薬の種類や選び方について、上手な使い方はありますか?

Image by Adam Nieścioruk

酸化マグネシウムのようにマイルドでクセになりにくいものから試してみるといいでしょう。酸化マグネシウムには、便の水分を増やし軟らかくし、排便がスムーズにする働きがあります。

効きが悪い場合は、お薬の働きが違うもの(センナなど)を併用するといいでしょう。

参考:
​厚生労働省 「e-ヘルスネット」
日本大腸肛門病学会「大腸・肛門の病気について」

第3回 女性が便秘になりやすい理由と予防方法

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女性が便秘になりやすい理由と予防方法

こんにちは。カラダシルプロジェクト運営事務局です。

今回は、女性をひそかに悩ませる「便秘」についてのおはなしです。

「女性は便秘になりやすい」という話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこれはあながち間違いではないそうです。

便秘になると、肌荒れや肥満につながる可能性が高まるだけではなく、さらに重い病気にかかるリスクも増えていきます。

Breakfast with muesli, strawberry salad,

便秘を予防するために大切なのは生活習慣

便秘の原因が病気ではなく日々の生活習慣にある場合、食生活や運動習慣を見直すことである程度の予防が可能です。

手軽にできる便秘解消法としては、起床直後に冷水または冷牛乳を飲むことです。冷たい水を飲むことで胃が刺激され、大腸の動きが活発になるだけでなく、水分によって便が軟らかくなり、排便が促されることがあります。

また、ダイエットのために食事の数・量を極端に減らすことで腸に溜まった便を押し出せなくなることがありますので、過剰な食事制限は控えましょう。食物繊維が豊富な野菜や果物を普段の食事に1品追加したり、朝食を抜かずに1日3食しっかりと固形物を食べるようにすることも有効です。

ヨーグルトや乳酸飲料に含まれるビフィズス菌は腸内細菌の一つで腸の働きを活発にしますが、これと同じような働きをすると言われているのが味噌や納豆などの発酵食品です。

これらの食品と合わせて、ビフィズス菌の働きを活発にするオリゴ糖を含む、バナナやゴボウなども摂るようにしましょう。

便秘はストレスや睡眠不足などによる自律神経の乱れが原因となることもあるので、遅くとも12時には寝て7時間の睡眠を確保できるよう規則正しい睡眠を心がけましょう。また、デスクワークなどであまり体を動かす機会が無い方は、1時間に1度は立ち上がって背伸びをすることで、体の緊張をほぐすようにしましょう。

便秘ってどういう状態のこと?

日本内科学会によると、「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」のことを便秘と呼んでいます。たとえば月曜日に排便があったあと、次の木曜日までに便がなければ便秘だと考えてよいでしょう。もしくは、便があったとしてもスムーズに排便ができなかったり不快感を抱いたりする場合は便秘の可能性を疑ってください。

また、便秘は思春期から60歳未満までは男性に比べて女性のほうが発症しやすいものの、高齢になると男性も症状を訴える方が増えてきます。

便秘には原因がある

便秘にははっきりとした原因がわからないものも多いのですが、一般的には食生活の偏りや運動不足、ストレスなどで腸の動きが悪くなることによって引き起こされる場合や、なんらかの病気の影響で便秘になることがあります。

また、トイレを我慢しがちだったり、腹筋が弱く便を十分に押し出すことができなかったりする方も便秘になる傾向があります。

女性は便秘になりやすい?

月経前に便秘の症状が出始めて、生理が始まると症状が落ち着く経験をされた女性もいらっしゃるのではないでしょうか。これは排卵後に多く分泌される「黄体ホルモン」という女性ホルモンが関係していると言われています。

黄体ホルモンは腸の動きを抑える働きだけでなく、体に水分を溜め込む働きも持っているため、腸内の水分が体内に吸収されることで便が硬くなり、便秘になりやすくなるのです。このように、黄体ホルモンの影響によって腸の動きが弱い時期があることが影響していると言われています。また、腹筋などの筋力が男性よりも弱いことも影響していると言われています。

もしも便秘になったら

便秘の症状が出始めた場合は、まずは生活習慣の見直しから始めましょう。食物繊維を多く摂取したり、散歩やストレッチ程度の適度な運動習慣を身につけたりすることも有効です。

また、腹筋を鍛えるのも効果的です。腹筋を鍛える際は1度にたくさん行うより、軽めに毎日行うとよいでしょう。

おすすめは、10回程度を毎日続けることです。まずは仰向けになって脚を軽く折り曲げ、両手を頭の後ろに組み、腹筋のあたりに少しだけ力を入れるイメージで爪先を見るようにしながら頭を少しずつ起こしていきます。その際、なるべくゆっくりと息を吐くようにしましょう。その姿勢を5秒ほど維持したら頭を元の位置に戻します。この運動を毎日の習慣にしていきましょう。

ただし、もしも症状が改善されなかったり悪化したりした場合は、薬局で相談した上で最小限の量の市販薬を服用するようにすることが大切です。

また、「便を毎日出さなければならない」という思い込みはプレッシャーをかけることになってしまい、便秘の解消には逆効果です。便秘の症状が現れた場合であっても焦らないことが大切で、もしも不安が膨らんだ方はお早めに医療機関を受診することをおすすめします。

さらに詳しく​!宋美玄先生に聞きました 

​日々の生活で気になること、もっと知りたい疑問を宋先生に聞きました。

​宋美玄先生

産婦人科医、医学博士

2001年、大阪大学医学部卒、川崎医科大学講師、ロンドン大学病院(胎児超音波部門)留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。

主な著書に、「産科女医からの大切なお願い:妊娠・出産の心得 11か条」(無双舎)、「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)などがある。

- 生理前は便秘になりやすいと聞きます。なぜですか?

黄体ホルモンである、プロゲステロンが多く分泌されている時期のためです。プロゲステロンが大腸のぜん動運動を抑えたり、腸内の水分を体内に吸収しやすくすることで、便が固くなり、便秘になりやすくなります。

そのため、黄体ホルモンの分泌が急減する月経中は便秘が解消されるという人が多いです。

- 便秘薬の種類や選び方について、上手な使い方はありますか?

Image by Adam Nieścioruk

酸化マグネシウムのようにマイルドでクセになりにくいものから試してみるといいでしょう。酸化マグネシウムには、便の水分を増やし軟らかくし、排便がスムーズにする働きがあります。

効きが悪い場合は、お薬の働きが違うもの(センナなど)を併用するといいでしょう。

参考:
​厚生労働省 「e-ヘルスネット」
日本大腸肛門病学会「大腸・肛門の病気について」

第2回 ビジネスパーソンを悩ませる頭痛の対処法

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ビジネスパーソンを悩ませる頭痛の対処法

こんにちは。カラダシルプロジェクト運営事務局です。

今回は、さまざまな場面で多くの人を悩ませる「頭痛」のおはなしです。

男性のみなさんも頭痛になったことがない方は、おそらくいないと思いますが、女性は男性と比べて、頭痛の症状が発症しやすいことがわかっています。たとえば、代表的な頭痛の症状である「片頭痛」に関しては、女性は男性に比べて3~4倍の有病者*1がいることが報告されています。

そこで今回は、お悩みを持たれる方も多い「頭痛」の基礎知識と予防方法についてお届けします。

Pain or Gain concept, Hand flip wood cub

頭痛の種類は1つだけではありません

頭痛には、風邪や二日酔いなどで一次的に起こる頭痛の他に、何日も症状が続く、慢性頭痛と呼ばれるものがあります。

慢性頭痛には、片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛と種類があり一次性頭痛とも呼ばれています。片頭痛はズキズキと痛むのが特徴です。緊張性頭痛は一般的によく見られ、筋肉の緊張やストレスにより引き起こされることが多く、締めけられるような痛みや頭が重く感じるのが特徴です。群発頭痛は年に1回程度、激しい痛みが連日続く特徴があります。

その他、二次頭痛とよばれるくも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、髄膜炎・脳炎などを原因とした頭痛もあり注意が必要です。

多くの女性を悩ませる「片頭痛」

女性だけが発症するわけではありませんが、男性よりも女性のほうが発症しやすいのは片頭痛です。

片頭痛は心拍に合わせてズキンズキンと痛む特徴があり、運動の後に痛みが起こったり、日光や騒音によって痛みがひどくなったりします。片頭痛についてはまだはっきりとした原因が分かっていないものの、生理のタイミングで頭痛の症状が現れる方が多く、50~60代頃から徐々に発症しにくくなるため、女性ホルモンとの関係が強いのではないかと考えられています。

頭痛の症状があるときは

頭痛の症状は日常的に起こるため、大したことがないと感じることが多いかもしれませんが、頭痛には大きな病気が隠れていることがあります。体質だからと、痛みを放置することなく、神経内科や脳神経外科などで気になる症状について1度検査をしてみるということが大切ですし、安心にもつながります。
検査で異常が見当たらない場合は、ストレスや緊張などが起因している可能性もありますので、気になることがあれば心療内科などを
受診する選択肢もあります。

頭痛はそれぞれの原因によって対処・治療方法が異なるため、日常的に頭痛を繰り返している方は、まずは何が原因となっているのかを突き止めるのが大切です。知らぬ間に脳の病気が進行して、最悪な場合は命に関わることもあるので、不安な方はお早めに医療機関を受診しましょう。

慢性頭痛を予防するために

緊張型頭痛は血液の循環が悪くなることで発症することがあるため、筋肉のコリをほぐしてあげることが有効な場合があります。頭の重さを感じたり肩こりが気になったりするようであれば、首筋や肩を軽く揉みほぐしたり、蒸しタオルで温めたりしましょう。

おすすめは肩甲骨ストレッチです。
まず、両ひじを大きく曲げて肩より上の高さに持ち上げます。その際、軽く握って鎖骨のあたりに置くようにしましょう。

次に、上げた両ひじを5秒かけながらゆっくりと後ろに引いてください。この時、ひじの位置はできるだけ下げないように注意しましょう。

最後に、肩甲骨を寄せたままひじを下げて、力を抜いてください。
このストレッチを、朝起きた時と寝る前に5回ずつ行う習慣をつけると、肩まわりのコリが解消されていくでしょう。

片頭痛は脳の血管が収縮し、神経が刺激され、血管が拡張することで起こるとされるため、血管の拡張・収縮作用がある食品の摂取量を控えましょう。代表的な食品としては、チョコレートや赤ワインなどポリフェノールを多く含む食品が挙げられます。

また、片頭痛は強い光や騒音、タバコのにおい、激しい振動などの外部からの刺激によっても誘発されるので、それらの刺激をできるだけ避けるように日々の生活の中で工夫していきましょう。

さらに詳しく!宋美玄先生に聞きました 

日々の生活で気になること、もっと知りたい疑問を宋先生に聞きました。

​宋美玄先生

産婦人科医、医学博士

2001年、大阪大学医学部卒、川崎医科大学講師、ロンドン大学病院(胎児超音波部門)留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。

主な著書に、「産科女医からの大切なお願い:妊娠・出産の心得 11か条」(無双舎)、「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)などがある。

- 女性の生理と片頭痛は関係がありますか?

女性の健康推進室「ヘルスケアラボ」を参考に株式会社ミナケア作成

女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2つがあり、これらのホルモンの分泌量が増えたり減ったりすることで月経を起こしますが、特にエストロゲンが片頭痛に関係があると言われています。

エストロゲンは前回の生理が終わると、排卵に向けて増え、排卵時に急激に減ります。その後また増えて次の生理に向けて減少するという周期を繰り返します。このエストロゲンが減少する時に脳内のセロトニンや神経伝達物質のバランスが変化して血管が拡張し偏頭痛が起こると考えられています。

- 頭痛薬を飲みすぎると良くない、ということも聞きます。お薬の使い方などでアドバイスや、病院に行くときに伝えるべきことや準備しておくこと、行くタイミングなどでアドバイスはありますか?

お薬を飲むと一時的に痛みがなくなり、ついつい病院を後回しにしてしまう人も多いと思います。自己判断で市販薬を使うよりも頭痛ダイアリーをつけて専門医に相談することをオススメします。市販薬を使用しても度々起こる場合は、頭痛の頻度やタイミング、時期や痛みの程度、痛む場所などを頭痛ダイアリーに記入して専門医を受診するといいでしょう。

参考:
厚生労働省 「知ることから始めよう みんなのメンタルヘルス」
「わかりやすい病気のはなしシリーズ」(日本臨床内科医会)
「サワイ健康推進課」(沢井製薬)
※1「<シンポジウム 31―2>片頭痛の慢性化,難治化のメカニズムと治療片頭痛の経過・自然歴」 古和久典・中島 健二

第2回 女性に多い慢性頭痛。その予防方法は?

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女性に多い慢性頭痛。その予防方法は?

こんにちは。カラダシルプロジェクト運営事務局です。

今回は、さまざまな場面で多くの人を悩ませる「頭痛」のおはなしです。

女性は男性と比べて、頭痛の症状が発症しやすいことがわかっています。たとえば、代表的な頭痛の症状である「片頭痛」に関しては、女性は男性に比べて3~4倍の有病者*1がいることが報告されています。

そこで今回は、お悩みを持たれる方も多い「頭痛」の基礎知識と予防方法についてお届けします。

Pain or Gain concept, Hand flip wood cub

頭痛の種類は1つじゃないって本当ですか?

頭痛には、風邪や二日酔いなどで一次的に起こる頭痛の他に、何日も症状が続く、慢性頭痛と呼ばれるものがあります。

慢性頭痛には、片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛と種類があり一次性頭痛とも呼ばれています。片頭痛はズキズキと痛むのが特徴です。緊張性頭痛は一般的によく見られ、筋肉の緊張やストレスにより引き起こされることが多く、締めけられるような痛みや頭が重く感じるのが特徴です。群発頭痛は年に1回程度、激しい痛みが連日続く特徴があります。

その他、二次頭痛とよばれるくも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、髄膜炎・脳炎などを原因とした頭痛もあり注意が必要です。

女性特有の頭痛はありますか?

女性だけが発症するわけではありませんが、男性よりも女性のほうが発症しやすいのは片頭痛です。

片頭痛は心拍に合わせてズキンズキンと痛む特徴があり、運動の後に痛みが起こったり、日光や騒音によって痛みがひどくなったりします。片頭痛についてはまだはっきりとした原因が分かっていないものの、生理のタイミングで頭痛の症状が現れる方が多く、50~60代頃から徐々に発症しにくくなるため、女性ホルモンとの関係が強いのではないかと考えられています。

頭痛の症状があるときはどうしたらよいですか?

頭痛の症状は日常的に起こるため、大したことがないと感じることが多いかもしれませんが、頭痛には大きな病気が隠れていることがあります。体質だからと、痛みを放置することなく、神経内科や脳神経外科などで気になる症状について1度検査をしてみるということが大切ですし、安心にもつながります。
検査で異常が見当たらない場合は、ストレスや緊張などが起因している可能性もありますので、気になることがあれば心療内科などを
受診する選択肢もあります。

頭痛はそれぞれの原因によって対処・治療方法が異なるため、日常的に頭痛を繰り返している方は、まずは何が原因となっているのかを突き止めるのが大切です。知らぬ間に脳の病気が進行して、最悪な場合は命に関わることもあるので、不安な方はお早めに医療機関を受診しましょう。

慢性頭痛を予防する方法はありますか?

緊張型頭痛は血液の循環が悪くなることで発症することがあるため、筋肉のコリをほぐしてあげることが有効な場合があります。頭の重さを感じたり肩こりが気になったりするようであれば、首筋や肩を軽く揉みほぐしたり、蒸しタオルで温めたりしましょう。

おすすめは肩甲骨ストレッチです。
まず、両ひじを大きく曲げて肩より上の高さに持ち上げます。その際、軽く握って鎖骨のあたりに置くようにしましょう。

次に、上げた両ひじを5秒かけながらゆっくりと後ろに引いてください。この時、ひじの位置はできるだけ下げないように注意しましょう。

最後に、肩甲骨を寄せたままひじを下げて、力を抜いてください。
このストレッチを、朝起きた時と寝る前に5回ずつ行う習慣をつけると、肩まわりのコリが解消されていくでしょう。

片頭痛は脳の血管が収縮し、神経が刺激され、血管が拡張することで起こるとされるため、血管の拡張・収縮作用がある食品の摂取量を控えましょう。代表的な食品としては、チョコレートや赤ワインなどポリフェノールを多く含む食品が挙げられます。

また、片頭痛は強い光や騒音、タバコのにおい、激しい振動などの外部からの刺激によっても誘発されるので、それらの刺激をできるだけ避けるように日々の生活の中で工夫していきましょう。

頭痛には個人差がありますが、もし強い痛みが続いたり、生活や仕事に支障が出るようであれば、無理せず休み、医師に相談しましょう。

さらに詳しく!宋美玄先生に聞きました 

日々の生活で気になること、もっと知りたい疑問を宋先生に聞きました。

​宋美玄先生

産婦人科医、医学博士

2001年、大阪大学医学部卒、川崎医科大学講師、ロンドン大学病院(胎児超音波部門)留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。

主な著書に、「産科女医からの大切なお願い:妊娠・出産の心得 11か条」(無双舎)、「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)などがある。

- 生理が始まる前などに決まって頭が痛くなることがありますが、ホルモンと片頭痛の関係を詳しく教えてください。

女性の健康推進室「ヘルスケアラボ」を参考に株式会社ミナケア作成

女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2つがあり、これらのホルモンの分泌量が増えたり減ったりすることで月経を起こしますが、特にエストロゲンが片頭痛に関係があると言われています。

エストロゲンは前回の生理が終わると、排卵に向けて増え、排卵時に急激に減ります。その後また増えて次の生理に向けて減少するという周期を繰り返します。このエストロゲンが減少する時に脳内のセロトニンや神経伝達物質のバランスが変化して血管が拡張し偏頭痛が起こると考えられています。

- 頭痛薬を飲みすぎると良くない、ということも聞きます。お薬の使い方などでアドバイスや、病院に行くときに伝えるべきことや準備しておくこと、行くタイミングなどでアドバイスはありますか?

お薬を飲むと一時的に痛みがなくなり、ついつい病院を後回しにしてしまう人も多いと思います。自己判断で市販薬を使うよりも頭痛ダイアリーをつけて専門医に相談することをオススメします。市販薬を使用しても度々起こる場合は、頭痛の頻度やタイミング、時期や痛みの程度、痛む場所などを頭痛ダイアリーに記入して専門医を受診するといいでしょう。

参考:
厚生労働省 「知ることから始めよう みんなのメンタルヘルス」
「わかりやすい病気のはなしシリーズ」(日本臨床内科医会)
「サワイ健康推進課」(沢井製薬)
※1「<シンポジウム 31―2>片頭痛の慢性化,難治化のメカニズムと治療片頭痛の経過・自然歴」 古和久典・中島 健二

第2回 女性に多い慢性頭痛。その予防方法は?

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女性に多い慢性頭痛。その予防方法は?

こんにちは。カラダシルプロジェクト運営事務局です。

今回は、さまざまな場面で多くの人を悩ませる「頭痛」のおはなしです。

女性は男性と比べて、頭痛の症状が発症しやすいことがわかっています。たとえば、代表的な頭痛の症状である「片頭痛」に関しては、女性は男性に比べて3~4倍の有病者*1がいることが報告されています。

そこで今回は、お悩みを持たれる方も多い「頭痛」の予防方法についてお届けします。

Pain or Gain concept, Hand flip wood cub

頭痛の種類は1つだけではありません

頭痛には、風邪や二日酔いなどで一次的に起こる頭痛の他に、何日も症状が続く、慢性頭痛と呼ばれるものがあります。

慢性頭痛には、片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛と種類があり一次性頭痛とも呼ばれています。片頭痛はズキズキと痛むのが特徴です。緊張性頭痛は一般的によく見られ、筋肉の緊張やストレスにより引き起こされることが多く、締めけられるような痛みや頭が重く感じるのが特徴です。群発頭痛は年に1回程度、激しい痛みが連日続く特徴があります。

その他、二次頭痛とよばれるくも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、髄膜炎・脳炎などを原因とした頭痛もあり注意が必要です。

女性に多い「片頭痛」は予防できる?

女性だけが発症するわけではありませんが、男性よりも女性のほうが発症しやすいのは片頭痛です。

片頭痛は心拍に合わせてズキンズキンと痛む特徴があり、運動の後に痛みが起こったり、日光や騒音によって痛みがひどくなったりします。片頭痛についてはまだはっきりとした原因が分かっていないものの、生理のタイミングで頭痛の症状が現れる方が多く、50~60代頃から徐々に発症しにくくなるため、女性ホルモンとの関係が強いのではないかと考えられています。

頭痛の症状があるときは

頭痛の症状は日常的に起こるため、大したことがないと感じることが多いかもしれませんが、頭痛には大きな病気が隠れていることがあります。体質だからと、痛みを放置することなく、神経内科や脳神経外科などで気になる症状について1度検査をしてみるということが大切ですし、安心にもつながります。
検査で異常が見当たらない場合は、ストレスや緊張などが起因している可能性もありますので、気になることがあれば心療内科などを
受診する選択肢もあります。

頭痛はそれぞれの原因によって対処・治療方法が異なるため、日常的に頭痛を繰り返している方は、まずは何が原因となっているのかを突き止めるのが大切です。知らぬ間に脳の病気が進行して、最悪な場合は命に関わることもあるので、不安な方はお早めに医療機関を受診しましょう。

慢性頭痛を予防するために

緊張型頭痛は血液の循環が悪くなることで発症することがあるため、筋肉のコリをほぐしてあげることが有効な場合があります。頭の重さを感じたり肩こりが気になったりするようであれば、首筋や肩を軽く揉みほぐしたり、蒸しタオルで温めたりしましょう。

おすすめは肩甲骨ストレッチです。
まず、両ひじを大きく曲げて肩より上の高さに持ち上げます。その際、軽く握って鎖骨のあたりに置くようにしましょう。

次に、上げた両ひじを5秒かけながらゆっくりと後ろに引いてください。この時、ひじの位置はできるだけ下げないように注意しましょう。

最後に、肩甲骨を寄せたままひじを下げて、力を抜いてください。
このストレッチを、朝起きた時と寝る前に5回ずつ行う習慣をつけると、肩まわりのコリが解消されていくでしょう。

片頭痛は脳の血管が収縮し、神経が刺激され、血管が拡張することで起こるとされるため、血管の拡張・収縮作用がある食品の摂取量を控えましょう。代表的な食品としては、チョコレートや赤ワインなどポリフェノールを多く含む食品が挙げられます。

また、片頭痛は強い光や騒音、タバコのにおい、激しい振動などの外部からの刺激によっても誘発されるので、それらの刺激をできるだけ避けるように日々の生活の中で工夫していきましょう。

頭痛には個人差がありますが、もし強い痛みが続いたり、生活や仕事に支障が出るようであれば、無理せず休み、医師に相談しましょう。

さらに詳しく!宋美玄先生に聞きました 

日々の生活で気になること、もっと知りたい疑問を宋先生に聞きました。

​宋美玄先生

産婦人科医、医学博士

2001年、大阪大学医学部卒、川崎医科大学講師、ロンドン大学病院(胎児超音波部門)留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。

主な著書に、「産科女医からの大切なお願い:妊娠・出産の心得 11か条」(無双舎)、「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)などがある。

- 生理が始まる前などに決まって頭が痛くなることがありますが、ホルモンと片頭痛の関係を詳しく教えてください。

女性の健康推進室「ヘルスケアラボ」を参考に株式会社ミナケア作成

女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2つがあり、これらのホルモンの分泌量が増えたり減ったりすることで月経を起こしますが、特にエストロゲンが片頭痛に関係があると言われています。

エストロゲンは前回の生理が終わると、排卵に向けて増え、排卵時に急激に減ります。その後また増えて次の生理に向けて減少するという周期を繰り返します。このエストロゲンが減少する時に脳内のセロトニンや神経伝達物質のバランスが変化して血管が拡張し偏頭痛が起こると考えられています。

- 頭痛薬を飲みすぎると良くない、ということも聞きます。お薬の使い方などでアドバイスや、病院に行くときに伝えるべきことや準備しておくこと、行くタイミングなどでアドバイスはありますか?

お薬を飲むと一時的に痛みがなくなり、ついつい病院を後回しにしてしまう人も多いと思います。自己判断で市販薬を使うよりも頭痛ダイアリーをつけて専門医に相談することをオススメします。市販薬を使用しても度々起こる場合は、頭痛の頻度やタイミング、時期や痛みの程度、痛む場所などを頭痛ダイアリーに記入して専門医を受診するといいでしょう。

参考:
厚生労働省 「知ることから始めよう みんなのメンタルヘルス」
「わかりやすい病気のはなしシリーズ」(日本臨床内科医会)
「サワイ健康推進課」(沢井製薬)
※1「<シンポジウム 31―2>片頭痛の慢性化,難治化のメカニズムと治療片頭痛の経過・自然歴」 古和久典・中島 健二

第1回 女性ならではのストレスや体調の変化を知る

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女性ならではのストレスや体調の変化を知る

はじめまして。カラダシルプロジェクト運営事務局です。

本プロジェクトでは、女性を悩ませる「頭痛」「便秘」「月経困難症・月経前症候群(PMS)」「更年期障害」のテーマで、今回の配信を含み、全6回に分けてメッセージをお届けいたします。

また、全ての配信が終了し、事前・終了時アンケート調査にご協力いただいた方を対象に、500円分のQUOカードを差し上げます。ぜひ最後までお付き合いいただけたらと思います。

年齢、妊娠・出産など、ライフステージの変化に応じて、女性の体には大きな変化が起こります。本プロジェクトでは、女性の健康についてよく知っていただくことで、ご家族や身近な女性の力になれるように、正しい情報をしっかりお届けします。

Hand choosing happy smile face paper cut

​なぜ今、女性の健康を取り上げるの?

女性の就業者数が年々増加し、「女性の活躍推進」の動きが活発になる中、女性の健康に対する関心も高まっています。

しかし、働く女性の健康面を考慮した環境の整備は、十分であるとは言えない現状があります。

女性の活躍推進に関する統計データでは、働く女性2,500万人のうち、17.1%が婦人科疾患にかかると推定され、医療面と生産性面を併せた経済的損失額は6.37兆円と試算されています(*1)。また、日本の婦人科がん検診の受診率は、 他の先進国に比べて依然として低い状況であり、月経困難症・月経前症候群(PMS)・更年期障害については、日常的に仕事に影響を与えることが多いにもかかわらず、十分認知されていないのが現状です。

女性は、ホルモンバランスの影響により、ライフステージごとに女性特有の心と身体の変化に直面します。そのため、年齢によって気を付けなければいけない心身のトラブルや疾患が異なります。

私たちは、この女性特有の心と身体の変化について、女性自身が正しい知識を持って対処ができるようになることはもちろんですが、周囲の理解や正しいサポートが行える環境こそが重要だと考えています。ぜひ、そのお手伝いをさせてください。

「女性は生理周期によって性格が変わる」って聞いたことがあるけれど…

女性の体はライフステージによって、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が変化します。ホルモンの変化は女性の体に多くの影響を及ぼします。

そこで今回は、まず女性の体の変化と健康リスクについて年齢別にお伝えします。女性が年齢によってこれほど心身に変化があることをこの機会に知っておきましょう。

現代女性は昔に比べ出産回数が減ったため、生涯の月経回数が増えたといわれています。

働き方の変化や出産回数の減少など、女性のライフスタイルの変化とともに、現代の日本女性は生涯にわたって多くの排卵と月経を経験するようになり、毎月の排卵・月経を中心に女性の心身はホルモンバランスの影響をによって変化を受けるようになりました。

その結果、月経困難症や月経前症候群(PMS)を始め、片頭痛、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣のう腫、乳がんなど、ホルモンバランスの動きによって誘発されやすい女性特有の健康課題が増えているのです。

これらの健康課題についての詳細や必要なサポートについては次回以降のコンテンツでご紹介していきます。

男性のみなさまも、ぜひこの機会に一緒に学びましょう

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年齢によってこんなに違う女性の体

女性は、ライフステージごとに特有の心と身体の変化があるとお伝えしましたが、どのような変化があるのでしょうか。女性の体の変化と健康リスクについて年齢別にみてみましょう。

1.思春期(10〜18歳ごろ)
初経の後、子宮や卵巣の成熟とともに女性ホルモンの分泌量が増える時期です。不安やストレスを抱えやすくなったり、肌が荒れやすくなったりします。

2.性成熟期(18〜45歳ごろ)
女性ホルモンの分泌が盛んな時期です。性成熟期には月経が近くなると、精神状態や食欲、乳房の張りなど様々な症状が現れることが多くなります。これを月経前症候群(PMS)と呼び、このPMSにより、仕事や家庭などの社会的な環境の変化によって心身ともに負担がかかりやすくなります、そのほか、子宮の病気があらわれやすくなる傾向があります。

3.更年期(45〜55歳ごろ)
女性ホルモンの分泌量が急激に減少する時期です。それによって自律神経が乱れ、人によっては更年期障害の症状が出ることがあります。

4.老年期(55歳ごろ以降)
女性ホルモンの分泌が乏しくなる時期です。更年期を過ぎることで心の状態は安定しやすくなりますが、女性ホルモンによって維持されていた若々しい細胞の老化が進んでいき、生活習慣病のリスクが高まります。

体のさまざまな場所で作られ、体の機能を調整する役割を担っているホルモン。

​女性ホルモンは、26歳頃にピークを迎えたあと、徐々に減少し、分泌量の乱れや減少によって、体の不調が生じやすくなると言われています。

​賢く、正しく学びましょう

第一回のメッセージ、最後まで読んでいただきありがとうございました。

これから、女性の身体の変化によって起きる健康課題とその予防、対応について一緒に学んでいきましょう!

今後のメッセージでは、産婦人科医で医学博士の宋美玄先生からも、女性の健康について、女性自身はもちろん、男性も知っておくべき知識やアドバイスをお届けします。

​宋美玄先生

産婦人科医、医学博士

2001年、大阪大学医学部卒、川崎医科大学講師、ロンドン大学病院(胎児超音波部門)留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。

主な著書に、「産科女医からの大切なお願い:妊娠・出産の心得 11か条」(無双舎)、「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)などがある。

参考:
「女性の健康推進室ヘルスケアラボ」(厚生労働省研究班(東京大学医学部藤井班))
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」(厚生労働省)

出典:
※1 日本医療政策機構「働く女性の健康増進調査2016」

第1回 女性ならではのストレスや体調の変化と上手に付き合うために

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女性ならではのストレスや体調の変化と上手に付き合うために

はじめまして。カラダシルプロジェクト運営事務局です。

本プロジェクトでは、女性を悩ませる「頭痛」「便秘」「月経困難症・月経前症候群(PMS)」「更年期障害」のテーマで、今回の配信を含み、全6回に分けてメッセージをお届けいたします。

また、全ての配信が終了し、事前・終了時アンケート調査にご協力いただいた方を対象に、500円分のQUOカードを差し上げます。ぜひ最後までお付き合いいただけたらと思います。

年齢、妊娠・出産など、ライフステージの変化に応じて、女性の体には大きな変化が起こります。本プロジェクトでは、働く女性がより自分の体と上手に付き合っていけるよう、正しい情報をしっかりお届けします。

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​なぜ今、女性の健康を取り上げるの?

女性の就業者数が年々増加し、「女性の活躍推進」の動きが活発になる中、女性の健康に対する関心も高まっています。

しかし、働く女性の健康面を考慮した環境の整備は、十分であるとは言えない現状があります。

女性の活躍推進に関する統計データでは、働く女性2,500万人のうち、17.1%が婦人科疾患にかかると推定され、医療面と生産性面を併せた経済的損失額は6.37兆円と試算されています(*1)。また、日本の婦人科がん検診の受診率は、 他の先進国に比べて依然として低い状況であり、月経困難症・月経前症候群(PMS)・更年期障害については、日常的に仕事に影響を与えることが多いにもかかわらず、十分認知されていないのが現状です。

女性は、ホルモンバランスの影響により、ライフステージごとに女性特有の心と身体の変化に直面します。そのため、年齢によって気を付けなければいけない心身のトラブルや疾患が異なります

私たちは、この女性特有の心と身体の変化について、女性自身が正しい知識を持って対処ができるようになることはもちろんですが、周囲の理解や正しいサポートが行える環境こそが重要だと考えています。ぜひ、そのお手伝いをさせてください。

「女性は生理周期によって性格が変わる」って聞いたことがあるけれど…

女性は子どもを妊娠・出産する可能性がある身体の構造上、それに備えるために女性ホルモンのバランスを調節し続けています。

女性であれば心当たりのある方もいらっしゃるかもしれませんが、ホルモンバランスが変化すると、それによって調子が急に悪くなったり、イライラしやすくなったりすることも日常的に起こりえます。

現代女性は昔に比べ出産回数が減ったため、生涯の月経回数が増えたといわれています。

働き方の変化や出産回数の減少など、女性のライフスタイルの変化とともに、現代の日本女性は生涯にわたって多くの排卵と月経を経験するようになり、毎月の排卵・月経を中心に女性の心身はホルモンバランスの影響をによって変化を受けるようになりました。

その結果、月経困難症や月経前症候群(PMS)を始め、片頭痛、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣のう腫、乳がんなど、ホルモンバランスの動きによって誘発されやすい女性特有の健康課題が増えているのです。

これらの健康課題についての詳細やセルフケアについては次回以降のコンテンツでご紹介していきます。

以前とは同じ体調でないと感じ不安に思っている方も、今は健康に不安がないという方も、ぜひこの機会に一緒に学びましょう。

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年齢によってこんなに違う女性の体

自分の体について、知らないことや経験のないことが多いと、とても不安ですよね。
そこで今回は、まず女性の体の変化と健康リスクについて年齢別にお伝えします。
今のご自身の年齢と照らし合わせてみましょう。

1.思春期(10〜18歳ごろ)
初経の後、子宮や卵巣の成熟とともに女性ホルモンの分泌量が増える時期です。不安やストレスを抱えやすくなったり、肌が荒れやすくなったりします。

2.性成熟期(18〜45歳ごろ)
女性ホルモンの分泌が盛んな時期です。性成熟期には月経が近くなると、精神状態や食欲、乳房の張りなど様々な症状が現れることが多くなります。これを月経前症候群(PMS)と呼び、このPMSにより、仕事や家庭などの社会的な環境の変化によって心身ともに負担がかかりやすくなります、そのほか、子宮の病気があらわれやすくなる傾向があります。

3.更年期(45〜55歳ごろ)
女性ホルモンの分泌量が急激に減少する時期です。それによって自律神経が乱れ、人によっては更年期障害の症状が出ることがあります。

4.老年期(55歳ごろ以降)
女性ホルモンの分泌が乏しくなる時期です。更年期を過ぎることで心の状態は安定しやすくなりますが、女性ホルモンによって維持されていた若々しい細胞の老化が進んでいき、生活習慣病のリスクが高まります。

体のさまざまな場所で作られ、体の機能を調整する役割を担っているホルモン。

​女性ホルモンは、26歳頃にピークを迎えたあと、徐々に減少し、分泌量の乱れや減少によって、体の不調が生じやすくなると言われています。

​賢く、正しく学びましょう

第一回のメッセージ、最後まで読んでいただきありがとうございました。

これから、女性の身体の変化によって起きる健康課題とその予防、対応について一緒に学んでいきましょう!

今後のメッセージでは、産婦人科医で医学博士の宋美玄先生からも、女性の健康について、女性自身はもちろん、男性も知っておくべき知識やアドバイスをお届けします。

​宋美玄先生

産婦人科医、医学博士

2001年、大阪大学医学部卒、川崎医科大学講師、ロンドン大学病院(胎児超音波部門)留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。

主な著書に、「産科女医からの大切なお願い:妊娠・出産の心得 11か条」(無双舎)、「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)などがある。

参考:
「女性の健康推進室ヘルスケアラボ」(厚生労働省研究班(東京大学医学部藤井班))
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」(厚生労働省)

出典:
※1 日本医療政策機構「働く女性の健康増進調査2016」