こんにちは。カラダシルプロジェクト運営事務局のサキコ@クリニック勤務です。
前回は頭痛にもつながる「肩こり」についてれいこさんにお伝えしました。
「れいこさん、頭痛だけじゃなく腰痛にも悩んでいるんですね」
れいこさん、長時間座り続けているとどうしても腰が痛くなってしまうそう。これって、よくあることだと思っていませんか?腰の痛み、実は男性の痛みのお悩み第1位。女性も第2位という調査結果があるんです!※1みなさんも、れいこさんのように、「よくある痛みだから」とそのままにしていませんか?今回は、誰でもできる腰痛の対策や予防法をお伝えします。
厚生労働省「2019年国民生活基礎調査の概況」よりミナケア作成(再掲)
そもそも、腰痛の原因ってなんだろう?対策できるものなの?
腰痛の原因は、特定できないものがなんと約85%!※2。特定できない理由は、腰に負担のかかる生活習慣、血流の悪化、筋肉のコリや筋力の低下、心理的ストレスなどさまざまな要因が絡んでいるから。
「簡単にできる腰痛対策?そうですね、例えば・・・」
抱き枕を使ってみましょう。片足を90度以上お腹のほうに引き寄せながら抱きつき、横向きで寝ることで腰痛の改善が期待できますよ。背骨をまっすぐにすることを意識してくださいね。
女性の場合は妊娠で腰痛を感じることも。お腹が大きくなるにつれ、カラダの重心が前になるため、背中から腰にかけての負担が増えます。また、妊娠時のホルモン(黄体ホルモン)の影響もあるといわれています※3。対策としては、伸縮するタイプの骨盤ベルトがおすすめ*。
*必ず主治医に相談のうえご使用ください
あなどれないイスや姿勢。 腰痛を感じたらどう座ればよい?
イスや座り方で、腰痛は大きく変わります。
理想の座り方は、イスに深く腰をかけ、足裏全体が床についている状態。さらに、イスとひざの間を手指が入るぐらい空け、太ももに力がはいっていない姿勢がベスト。高さを変えられるイスや、クッションなどを使って理想の座り方ができる環境づくりをしましょう※4。
「れいこさんは、足を組んでしまう癖があるんですね」
正しい座り方で仕事をしていても、ずっと同じ姿勢では痛くなります。
足を組むと一時的にラクにはなりますが、カラダがねじれてしまいます。足を組みたくなったときは、足元に箱や厚い雑誌を置いて片足だけ上げてみましょう※5。たまに立ち上がって腰を伸ばし、姿勢を変えるのも効果的※4。家であれば、イスの上であぐらをかくこともおすすめです。
下半身ストレッチがポイント!腰痛にならないための予防法
予防のためには、普段から下半身や腰、背中の筋肉の状態を良好に保つ基礎が大切。具体的にはストレッチが効果的です※6。腰に違和感がない時から、仕事の合間など、できるときに行いましょう。
こんな腰痛は危険!病院へ行きましょう
「放っておくと危険な腰の痛みもあるんですよ」
例えば、じっとしていても痛みが引かない、足のしびれや麻痺、尿・便の失禁などを伴う、熱がでる、痛みが徐々にひどくなるなどの場合はすぐにかかりつけの病院へ※7。放っておくと危険な病気(大動脈解離やがんなど)が隠れている場合があります。かかりつけ医がいない場合、まずは整形外科を受診しましょう※8。
病院では、医師の判断で検査・治療となりますが、大半のケースはまず痛み止めの湿布や薬が処方され、しばらく様子をみることになります※7。
「自分で湿布を選ぶ場合ですか?種類があって選ぶのが難しいですよね」
市販の湿布には冷感タイプと温感タイプがあります。急な炎症があるときは冷感タイプ。慢性的な症状には、自分が気持ち良いほうを選びましょう。ただし、1〜2週間効果がなければ、病院へ行きましょう※7。
れいこさんは月経時にも腰痛や色々な痛みを感じることがあるそう。
「では、月経時の痛みやPMS(月経前症候群)についてもれいこさんにお伝えします!」
監修:
宋美玄先生 産婦人科医、医学博士
2001年、大阪大学医学部卒、川崎医科大学講師、ロンドン大学病院(胎児超音波部門)留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。
主な著書に、「産科女医からの大切なお願い:妊娠・出産の心得 11か条」(無双舎)、「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)などがある。
参考資料:
※3 妊娠・出産をサポートする女性にやさしい職場づくりナビ 厚生労働省委託 母性健康管理サイト
※4 理学療法ハンドブック③腰痛 公益社団法人 日本理学療法士協会
※7 わかりやすい病気のはなしシリーズ45 腰痛 一般社団法人日本臨床内科医会