こんにちは。カラダシルプロジェクト運営事務局のサキコ@クリニック勤務です。クリニックにやってきたれいこさん。その症状から、片頭痛と診断されました。しかしれいこさん、まだ頭痛に関して気になることがあるとか・・・
「え?『肩こりからくる頭痛についても知りたい』、ですか?」
前回お伝えしたとおり、よくある頭痛は2種類。れいこさんが悩まされている片頭痛と、肩や首のコリからくる緊張性頭痛があります※1。れいこさん、コロナ禍のステイホームで肩や首のコリが辛く、そこからくる頭痛についても心配とのこと。
慢性的な肩こり。どのように軽くする?
れいこさん以外にも、肩こりを感じている女性はたくさんいます。国の調査でも、女性に一番多い自覚症状が「肩こり」でした※2。肩こりは、首を支えている筋肉量の違いやバストの重み等から女性のほうが多いと言われています。
厚生労働省「2019年国民生活基礎調査の概況」よりミナケア作成
肩こりは上半身(首・肩・背中)の筋肉がこわばり、血行が悪くなることが原因。パソコンやスマートフォンの操作で長い時間同じ姿勢をとっていると起きるんです。そのため、セルフケアとしては上半身ストレッチや筋肉まわりをほぐす運動が効果的※3。
お仕事中や作業中も適度に休みをいれて、意識的に上半身を動かすようにしてくださいね※3。
「POSITIVE SHARING こころの耳 厚生労働省」をもとに株式会社ミナケア作成
「なるほど、普段は自分で肩を揉んだりたたいたりしてるんですね・・・」
よくある誤解ですが、肩こりは、揉む・たたくだけでは限界があります。自分で力を込めて揉んだりたたいたりすると、かえって筋肉を緊張させてしまう場合もあるので要注意です。周りで肩こりに困っている人がいる場合は、肩揉み、肩たたきをしてあげるのではなく、ストレッチに誘いましょう。
「れいこさんは、カバンを持つとき同じ肩でもっていませんか?」
ずっと同じ肩で荷物を持つことはできるだけやめましょう。例えば、小さいお子さんがいて抱っこをする場合、抱っこひもは斜めがけのスリングタイプより「ベビーラップ」という、シンプルな布を赤ちゃんごとカラダに巻きつけるタイプがおすすめ。肩への負担が軽くなりますよ。
ステイホームで起きる「緊張型の頭痛」!どんな対処法がある?
「れいこさんは、ステイホームで肩や首のコリがひどくなったんですね?」
ステイホームにより、同じ姿勢で座ることが多くなり、肩や首のコリがひどくなったというれいこさん。基本的なセルフケアはさきほどご紹介したとおり。家の中ならではのケアとしては、入浴や蒸しタオルなどで肩を温めることも効果的※4。あとはテレワーク中でも、上半身のストレッチや、軽い散歩などの運動をはさむことで、ステイホームによる肩や首のコリを解消しましょう。
四十肩、五十肩といった病気も。単なる肩こりととらえず、受診したほうが良い場合もある?
肩にコリを感じるだけではなく、肩が上がらない、突然痛みが出てきたという場合は病院へ。四十肩や五十肩といった病気が隠れていることもあります。
肩の痛みは、髪を整えたり服を着替えるなどの日常生活を難しくすることも。ひどい時は肩が動かなくなってしまうので、放っておくのは危険!
病院では、アームスリングなどで肩を安定させたり、鎮痛剤の内服、注射などをおこなう場合もあります。
普段からよく肩をつかう人や長時間同じ姿勢をとりがちな人は特に気をつけて。四十肩や五十肩の予防のためには、痛みがない時から肩を動かすことが大切。肩まわりを動かすストレッチを意識的にとりいれましょう※5。
監修:
宋美玄先生 産婦人科医、医学博士
2001年、大阪大学医学部卒、川崎医科大学講師、ロンドン大学病院(胎児超音波部門)留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。
主な著書に、「産科女医からの大切なお願い:妊娠・出産の心得 11か条」(無双舎)、「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)などがある。
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