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感染症とは、ウイルスや細菌などの病原体が体内に入り込んで起きる病気のこと。風邪が一番わかりやすい例ですが、人類にとって大きな脅威です。病原体はどのように体に入ってくるのでしょうか。
昔から感染症は人類の脅威だった
感染症とは、ウイルスや細菌などの病原体が体内に入り込んで増え、症状が出る病気です。代表的なものは「風邪」で、風邪の主な病原体はウイルスです。感染症の症状は病原体の種類によってさまざまで、発熱や吐き気、下痢や咳などがあります。
病原体の一つである細菌が顕微鏡で観察できるようになったのは今から350年くらい前ですが、その前(人類が病原体に気がつく前)から感染症は人類を脅かしていました。600年ほど前にヨーロッパで大流行したペスト(ペスト菌という細菌の感染症)では、当時のヨーロッパの人口の3分の1が亡くなったと言われています*1。
感染するってどういうこと?:感染の三要素
感染とは、ウイルスや細菌などの病原体がなんらかの形で体内に入り込み、体内で増え始めた状態を指します。症状がでなくても、感染していることがあります。
感染が起きるには、「病原体」と「感染する相手(宿主とも呼びます)」、そして「感染経路(どうやって体内に入るか)」の三つの要素が必要です。このうち病原体(感染源とも言います)には、細菌やウイルスのほか、寄生虫や真菌(カビ)などさまざまな種類があります。感染する相手は、人のほかに動物も含まれます。
病原体は口や手から体に入ってくる:感染経路
病原体が体に入ってくる方法(感染経路)はさまざまです。これを防ぐには、とにかく手洗い、マスク、そして消毒が大切です。体に病原体を入れない、周りから病原体を減らす、ということです。
ー主な感染経路ー
- 空気感染:病原体が空気中を飛んできて、口や鼻から吸い込んで感染します。遠くまでただよっていくので一番厄介です。結核やはしかがこのタイプです。
- 飛沫感染:感染者の咳やくしゃみ、会話の際のツバなどによってウイルスが水分に包まれた状態で飛んできます。せいぜい1~2mの範囲までしか飛びませんが、それを口や鼻から吸い込んで感染します。いわゆる風邪やコロナウイルスがこのタイプです。
- 経口感染:食べ物などで口から胃の中などに入って感染します。食中毒がこれにあたります。
- 接触感染:病原体に触った手で口や鼻、目などを触って感染します。いわゆる風邪のほか、ノロウイルスなどもこのタイプです。
参考文献:
※2020年12月現在の情報を参考に作成しています。
作成:Health Amulet編集部