自分の体が健康かどうか、自分ではわからないのです
こんにちは。カラダシルプロジェクト運営事務局です。
ご一緒に学んできました全6回のカラダシルプロジェクトですが、今回で最終回となりました。
最終回は「健康維持を目指したい女性のための体調管理」についてです。
ここでは、女性が体調を崩しにくい体作りのためにはどのようなことに取り組むべきなのか、また、これまでお話ししてきた、ご自身の身体を知り、健康を守るためのポイントを改めてご紹介します。
基本は健康習慣を身に着けること
これまで、女性特有のお悩みについて、その症状や予防法・対処法についてお伝えしてきました。女性は、一生のうちに大きく4つのライフステージ(思春期、成熟期、更年期、老年期)があり、ホルモンバランスが変化します。それに伴い、女性特有のさまざまな心・身体の変化があります。こういった変化に上手に対処するためには、まずはご自身の身体に起きる変化を理解すること、そして「日々の健康習慣の積み重ね」が大切です。
改めて、基本的な対策として3つを見直しましょう。
1.主食、主菜、副菜をバランスよくとること
2.運動は週に3~4回の頻度で、1日あたり30~60分ほど意識的に
3.規則正しい睡眠
大切なのは、基本の健康習慣だけじゃない?
食事、運動、睡眠に気をつけた生活を送っていれば絶対に病気にならないかというと、そうではありません。また、病気の種類によっては、自覚症状がないまま悪化してしまい治療が遅れたために後遺症が残ることになったり、最悪な場合は命を失うことになったりする可能性もゼロではありません。
そうならないために大切なことは、健診の定期的な受診です。そして健診結果から、生活習慣の見直しへつなげましょう。
そもそも習慣とは、自分でも気づかないうちに取ってしまっている行動のことです。つまり、ご自身の健康習慣のどこかに問題が発生していたとしてもなかなか気付けず、気付いても見て見ぬ振りをしてしまっていたりする可能性があります。
特に体調の変化がなく自分自身では健康だと思っていても、健診によって重い病気が見つかる可能性があります。健診は1年に1度、できる限り同じ時期に受診するようにしましょう。
普段は医療機関にかかるほどではない程度の軽い頭痛や便秘などの症状がある方も、健診を受診することによって原因がわかったり、生活指導が受けられたりするようになることがありますので、自分には関係がないと思わずに、必ず健診を受診しましょう。
また、通常の健診のみではなく、がん検診などの「検診」を活用することも重要です。通常の健診は一次予防ですが、検診は二次予防で、がんや骨粗鬆症など特定の病気を調べることができます。気になることや、ライフステージごとに活用をおすすめします。
新型コロナウイルスの影響を受けて、健診、検診ともに受診数が減少しております。厚生労働省でも定期的な健診、検診を推奨しております。みなさまの健康維持のためにも、健診、検診の受診をどうぞよろしくお願いいたします。
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症が気になって受診を控えている皆さまへ
これまでお伝えしたポイントをおさらいしましょう
ここで、これまでにお届けした「頭痛」「便秘」「月経困難症・月経前症候群(PMS)」「更年期障害」について、改めて押さえておいていただきたい内容をおさらいしてみましょう。
頭痛の基礎知識をおさらい
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女性は男性と比べて頭痛の症状が発症しやすく、「片頭痛」に関しては、女性は男性に比べて3〜4倍の有病者がいると言われています
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生理前に頭痛が起きやすいのは、ホルモンバランスが影響しています。女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2つがあり、これらのホルモンの分泌量が増えたり減ったりすることで月経を起こしますが、特にエストロゲンが片頭痛に関係があると言われています*1
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女性に多い片頭痛は脳の血管が収縮し、神経が刺激され、血管が拡張することで起こるとされるため、血管の拡張・収縮作用がある食品の摂取量を控えましょう。代表的な食品としては、チョコレートや赤ワインなどポリフェノールを多く含む食品があります
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頭痛薬を飲むと一時的に痛みがなくなることもあると思いますが、自己判断で市販薬を使うよりも頭痛ダイアリーをつけて専門医に相談しましょう
便秘の基礎知識をおさらい
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便秘の原因は一つではありませんが、一般的には食生活の偏りや運動不足、ストレスなどで腸の動きが悪くなることによって引き起こされる場合があります
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生理前、便秘になりやすいのは、「プロゲステロン」が大腸のぜん動運動を抑えたり、腸内の水分を体内に吸収しやすくすることで、便が固くなるためと言われています
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便秘の症状改善のためには、食物繊維を多く摂取したり、散歩やストレッチ程度の適度な運動習慣を身につけたりすることも有効です
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それでも解消しない場合は、酸化マグネシウムのようにマイルドでクセになりにくい便秘薬から試してみましょう。酸化マグネシウムには、便の水分を増やし軟らかくし、排便がスムーズにする働きがあります
月経困難症・月経前症候群(PMS)の基礎知識をおさらい
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月経困難症・月経前症候群(PMS)の原因ははっきりとわかっていませんが、生理周期に応じて症状が出やすくなることから、女性ホルモンの乱れと関係があると考えられています
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女性ホルモンの乱れをなるべく抑えるためには、規則正しい生活やカフェインの取りすぎを控える、月経の始まる1週間くらい前からジョギング、ウォーキング、ヨガなど軽い運動を取りれることをおすすめします*2
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症状がつらいときには、我慢せずに痛み止め(鎮痛剤)を服用しましょう。鎮痛剤を選ぶには、痛みの原因となるプロスタグランディンをブロックできる薬(プロスタグランディン合成阻止剤)がより効果的です
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生理前のイライラを抑える目的で低用量ピルを服用することもできますが、医師に相談の上、実際に飲んでみて合うかどうか試してみるのが大事です
更年期障害の基礎知識をおさらい
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40〜50代になると、女性の体は更年期と呼ばれる期間に入り、急なのぼせや発汗、動悸や肩こりなどの身体的な不調や心身の不調が現れることがあります。これを更年期障害と呼びます
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更年期特有の症状を軽くするためには、十分な睡眠と栄養摂取で自律神経を出来るだけ整えましょう。ストレスに対処するため、自分なりのリラックス法を確立しておくといいでしょう
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病院で行う治療は大きく三つで、めまいや頭痛などの諸症状に対する対症療法、体質や症状に合った漢方薬による治療、根本治療によるホルモン補充療法があります。選択肢を知り、医師に相談の上、納得できる治療法から試してみましょう
おわりに
最後まで読んでいただきありがとうございました。
健康の維持に特効薬はなく、日々の小さな積み重ねが、あなたの体に大きな影響を与えます。
やりたいことがあっても、健康状態が整わずにままならないことも多くあります。定期的に健診を受診して体の状態を確かめながら、健康習慣を身につけるとともに、心配なことがあれば我慢せず、医師に相談をしましょう。
今回のプロジェクトが、少しでも日々の生活や、ご自身の心・身体と向き合うきっかけになれば幸いです。
プロジェクトへのご参加ありがとうございました!後日お送りする事後アンケートへのご回答をお待ちしております。