こんにちは。カラダシルプロジェクト運営事務局のサキコ@クリニック勤務です。
頭痛や腰痛、いろんな痛みに悩まされていたれいこさん。
クリニックで痛みについて相談し、すっかり理解してきたようですが、まだ気になる痛みがあるそうです…。
「れいこさんのお母さまが悩んでいる『関節痛』も気になっているんですね」
関節痛といってもさまざまですが、多くは関節へ負担がかかり、軟骨がすり減ることで感じる痛み。年齢とともに発症しやすくなります※1。
痛みを防ぐには、蓄積されていく負担を日々少しずつ減らしていくことが大切。早いうちから関節痛について知り、予防しましょう!
「関節痛」ってどうして起こる? 更年期との関係は?
関節痛の中でも一般的なのが、「変形性関節症」です。原因は、長年にわたる関節への負担などで軟骨がすり減ること。膝、股関節、肘、背骨に症状のある方が多いようです。
「女性では、更年期障害の症状のひとつとして関節の痛みを訴える方もいますね」
関節痛は、女性ホルモンの減少が原因で起こる更年期の症状※2のひとつです。
ただ、関節痛を更年期のせいだと決めつけてしまうのは要注意。
特に女性の場合、関節リウマチや自己免疫疾患、加齢による痛みが原因になることもあります。
もちろん、関節痛は女性だけでなく男性にも起こり得るもの。日頃から予防しつつ、もし関節に違和感や痛みを1~2週間以上感じた場合は自己判断せず、整形外科に相談しましょう※3。
痛みを避けて関節を動かさないと、筋肉が衰えてさらに症状が悪化することもありますので、早くから適切な治療を受けることが大切です。
「関節痛」の予防や緩和法は?
「お母さまは、特に膝や股関節に痛みを感じるんですね。生活の様子はどうですか?普段からの予防のポイントがいくつかあるので、れいこさんも一緒に取り組んでみてください」
膝の関節症は女性に多い症状。日常生活でできる発症の予防※4は、
・膝を支える筋肉を鍛える
・正座を避ける
・肥満であれば減量する
・膝を冷やさず、温めて血行を良くする
・洋式トイレを使用するなど
また、膝の曲げ伸ばしをしやすくする運動もおすすめです。
厚生労働省「変形性ひざ関節症の人を対象にした 運動プログラム」※5よりミナケア作成
股関節に発症する女性も多くいます。痛みがある場合は、負担が少ない水中ウォーキングなどの運動を行うことで、膝を支える筋肉を鍛えましょう※6。ストレッチや筋力トレーニングを行うことで、痛みが改善する可能性が高まりますよ※7。
れいこさん、お母さまをトレーニングにお誘いしてみてはいかがでしょうか?
「関節痛」に効く市販薬(湿布など)の選び方とは?
「他には、市販の湿布で緩和する方法もあります!」
温湿布や冷湿布などの種類がありますが、基本的には自分が一番気持ちよかったり、お肌に合うものを使うとよいですよ。
また、湿布以外にも塗り薬の鎮痛剤もあるため、いろいろと試してみてもよいでしょう。
ただし、妊娠している場合は非ステロイド系の鎮痛薬の使用は要注意!非ステロイド系鎮痛薬の「イブプロフェン」と「ロキソプロフェン」を含むものを妊娠後期に多く使用してしまうと、胎児が「心不全」や「胎児水腫(全身がむくむ病気)」を起こしてしまう可能性があります。鎮痛剤を使用する場合は、使用上の注意や成分などをよくみてから使用しましょう。
次回はいよいよ最終回!
ここまでれいこさんが学んできた「働く女性の痛み」を一気におさらいします!
監修:
宋美玄先生 産婦人科医、医学博士
2001年、大阪大学医学部卒、川崎医科大学講師、ロンドン大学病院(胎児超音波部門)留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。
主な著書に、「産科女医からの大切なお願い:妊娠・出産の心得 11か条」(無双舎)、「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)などがある。
参考資料: